先月末から、京都駅にお能の展示コーナーが設けられています。
囃子の御道具や能面の陳列、お能の歴史や説明のパネル展示などがあり、能舞台の模型も、子供たちに人気でした。
飛び出す能楽師の舞を鑑賞するAR体験もできます。
会場は、老若男女、海外の人たちでにぎわっていました。
わたしが釘付けになったのが、九郎右衛門さんのお舞台の映像。
《忠度》と《松風》がとりわけ美しい。うっとり、ため息。
お舞台、観たかったなー。
先日亡くなられた藤田六郎兵衛師が、《班女》《忠度》《松風》の笛を勤めていらっしゃって、まだなにか悪い夢を見ているよう。
(これほどの名手を、花の盛りに失うなんて。次期人間国宝を次々と狙い撃ちする病魔……ぜったいに今年か来年には国宝になられると思っていたのに。)
昨夏、霞が関で大倉源次郎さんと六郎兵衛さんが、揉ノ段や獅子を演奏されたことを思い出す。
人通りの多いコモンゲートで喧騒にまぎれながら、ストリートミュージシャンのように行われた、笛と小鼓のライヴセッション。
昔はよく二人で飲みに行っては、「流し」のように笛と小鼓で演奏してね……などと、若かりし頃のエピソードをはさみながらのセッションは、能楽堂とはまた違った味わいで、アットホームな楽しさがあった。
そして、お二人の演奏の素晴らしかったこと!
六郎兵衛さんの笛を最後に聴いたのは、九郎右衛門さんの後援会能の《龍田・移神楽》(シテ観世銕之丞)だった。
少しの衰えも感じさせない、あの五段神楽は一生の宝物です。
小鼓と大鼓 |
中将 |
大癋見 |
駅の一角にこういう展示があるなんて、京都はほんとうに素晴らしい!
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