船場ビルディング、1925年、村上徹一 |
竣工当時からこの建物は、住居空間とオフィス空間が共存するユニークなビルだった。
ビルの入り口。
トンネルのような廊下を抜けると、明るく開放感のある中庭に出る。
現在もデザイン事務所やアート工房などのテナントが入り、空室待ちがあるほどの人気のオフィスビルとなっている。
昭和初期を舞台にした朝ドラのロケに使えそうなおしゃれな造り。
中庭には4階までの廊下が面している。
緑の植栽が並木道のようで居心地がいい。
日差しを浴びながら、風通しのいいベンチに座ると、公園でくつろいでいるような気分になる。
船場は日本の経済・流通の中心地として栄えた。
この中庭も元来、トラックや荷馬車などを引き込むために設けられたという。
ある意味、かつての「用の美」が現代人の好みにマッチした好例ともいえる。現代のマンションにもこういうデザイン性が取り入れられると、都市空間ももっと素敵になるのではないだろうか。
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