清水猛商店、1924年、小川安一郎 |
船場ビルディングから西へ歩くこと3分。
近世から近代への過渡期を示すモダンな町家建築が見えてくる。
いまでも稼業の室内装飾を営む清水猛商店の店舗兼住居は、一見すると3階建の近代建築に見える。
だが、じつは間口の狭い「ウナギの寝床」の伝統的な町家なのがおもしろい。
1階はタイル張り、3階には3連アーチ、1階と2階のあいだには瓦の庇。
いろんな要素を取り込んでいるのに、不思議と統一感がある。
玄関上の凝ったデザイン |
唐破風のデザインをあしらった金属製の庇を設け、それを4本の鎖のような支柱で吊り下げている。
店名盤の左右には繊細な2本ランプを灯し、庇の上を櫛形窓で飾るなど、シックで装飾的な英国セセッション様式の風情だ。
看板に記された「家具装飾 清水猛商店」の文字。
清水猛商店の横が駐車場になっているため、建物のサイドからその構造を確認できる。
上の画像は、店舗奥の住居建物。
店舗からは中庭沿いの廊下を伝って、3階建ての住居部分に行くことができる。
欄干のついた露台に、木製サッシの窓。
純和風の佇まい。
当時の船場の商家の暮らしぶりを感じられる貴重な商家だ。
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