平安時代の888年に創建された赤山禅院は、比叡山塔頭のひとつ。
天台宗の寺院でありながら、赤山大明神という神さまを祀っています。
赤山大明神は慈覚大師・円仁の遺命により、唐の赤山の泰山府君を勧請したもの。
寿命や運命をつかさどる冥府の主宰者・泰山府君には、魔を祓う力もあるため、皇城の表鬼門に祀られました。
↑本殿の入口を縁取る巨大な数珠は「正念珠」。
この数珠をくぐるとき、心に浮かんだ願いを参拝のあいだ思い続ける真言密教の本尊誦の修法を「正念誦」と呼ぶそうです。
いっぽう、お寺を出るときにくぐるのが、↑の「還念珠」。
この数珠をくぐる時、正念誦のときに心に描いた願いに向かってみずから努力することを誓い、神仏の加護を仰ぐと良いとのこと。
お寺の正式な作法では、正念誦の功徳をあらゆる衆生に廻向するための作法が「還珠法」で、次の発願文を唱えるそうです。
願我念誦所生福 奉入本尊智恵海
平等一味同法性 我及衆生共成仏
願わくば 我が念誦により生ずるところの福をもって
本尊の智恵の海 平等一味の同法性に入り奉り
我も衆生もともに仏とならんことを。
自分の願いだけ叶えばいいという自己中な考えではいけないということですね。
反省、反省。
拝殿の屋根の上には、鬼門除けのお猿さんがいました。
(猿が魔除けの動物なのは、「去る」に掛かるから。)
この猿は、かぐら鈴と御幣をもち、皇城を守護しています。
かつて夜な夜な悪さをしたため、逃げ出さないよう金網に入れられているそうです。
(てっきり、ハトのフンフンよけかと思いました。。。)
こちらが、皇城表鬼門・赤山大明神。
あざやかな色彩の狛犬は、王城守護にふさわしい威厳のある顔立ち。
かつてはもっと極彩色だったのでしょう。
紅葉の美しい地蔵堂。
苔むした十六羅漢。味わいがあります。
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