2017年1月4日水曜日

阿佐ヶ谷神明宮・第十六回奉納迎春能《呼声》《葛城》

2017年1月2日(月)  11時始  阿佐ヶ谷神明宮 
   


舞台清祓いの儀
(1)お祓い
(2)祝詞奏上
(3)鶏鳴の儀・鳴弦の儀(たぶん?)

狂言《呼声》 太郎冠者 大蔵教義
    主 大蔵吉次郎 次郎冠者 宮本昇
    後見 榎本元

半能《葛城》 葛城明神 工藤寛
     ワキ山伏 安田登
     槻宅聡 住駒匡彦 柿原光博 徳田宗久
     後見 山田純夫 田村修
     地謡 廣田幸稔 宇高竜成 見越文夫 元吉正巳


比較的近場で奉納能があるのは嬉しい!
ビックリしたのは2年前よりも観客数が3倍くらい増えていたこと。
椅子席がぜんぜん足りなくて、ほとんどの人が立ち見でした。


まずは、奉納能の醍醐味のひとつ、舞台清祓いの儀
新年にこうした神事を拝見できるのは貴重な経験だし、観客にも大幣でお祓いをしてくださるので、こちらも心身ともに浄化されたような清々しい気分になります。

それにしても、この迎春能は16回とも好天に恵まれ続けたというから、シテの工藤寛さんは強力な晴れ男なのでしょう。
祭神の太陽神を味方につけているのかも。



さて、狂言《呼声》です。
吉次郎狂言会の舞台は、個人的には拝見する機会が少ないのですが、太郎冠者役の大蔵教義さんが以前拝見した時より格段に向上していて、目を見張りました。

この曲は平家節、小歌節、踊節など見せ場も多く、どの音曲でもシテの芸は、時分の花がぱあっと咲いたような華やかさ。

青地に帆舟を白抜きした肩衣姿も目に爽やかで、高らかに笑う声と表情も、新春にふさわしく清新な印象。

(笑い方は狂言方の巧拙をはかる目安のひとつになります。
この日の午後に放送された「さんまのまんま」で、野村萬斎さんが普通の笑いと《福の神》の笑いの違いを実演されているのを観て、さすがだと感心しきり。
何が凄いって、目も完全に笑っているのが凄い!)


教義さんは発声も声量も好く、「シャッキ、シャッキ、シャッキ、ハアー」の踊節も、強い足腰とたしかな型に裏打ちされていて、これからが楽しみな狂言方さん。



半能《葛城》
開演前、出演者の名前がアナウンスされるのですが、太鼓の徳田宗久さんが「むねひさ」というのを初めて知りました。
ずっと「そうきゅう」だと思っていたから(・・。)ゞ

半能とはいえ、
次第の囃子でワキが登場し、常座に至って、次第→名乗り→待謡となり、「一心敬礼」で脇座に行き、出端の囃子が入って、後シテの登場となるんですね。


シテは、金糸(or金箔)で文様があしらわれた白地長絹に緋大口、紅葉した蔦葉の天冠と、全体的に紅白でまとめたお目出度い出立。
長絹の胸紐も紅白になっているところが、TPOに合わせた演出でおしゃれ。
面は増系かな?


地謡がよかったです。
金剛流の謡ってあまり聴く機会がないのですが、やっぱり喜多流に似ている気が。
(喜多のツールだものね。)

今月中旬には京都金剛流の舞台を拝見する予定なので、謡もじっくり味わおうと思います。




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