向日神社の長~い参道 |
仕舞《高砂》 吉田篤史
能《羽衣》 吉田潔司
後見 井上裕久 橋本忠樹
地頭 吉浪壽晃
この日の午前中は桂離宮、午後は向日神社の御鎮座千三百年祭へ。
はじめて訪れたけど、とにかく広くて立派な神社で、びっくり。
地元の方たちは気さくで親切な方が多く、心があたたまる良い街ですね。
1418年に建立された本殿(重文) |
本殿は室町時代のものですが、神社の歴史はさらに古く、祭神の火雷神は、上賀茂神社の祭神・別雷神のお父様。つまり、賀茂氏の祖神ですね。
賀茂氏は5世紀にこの地にやってきて、そこから分かれて賀茂の地に移り住んだといいます。
向日神社の歴史は古代史的にもとても興味深く、いま向日市文化資料館で向日神社の特別展をやっているそうだから、今度行ってみようかな。
さて、この日の奉納能は吉田家を中心にした井上一門による演能でした。(主催者の役員の方にうかがうと、撮影OK、ネット掲載OKとのことなので、画像を少しアップします。)
神事能には、能楽堂で行われる観客向けの公演とは違う、特別な魅力があります。
ひと言でいうと、観客に「よく見せよう」という邪心のない純真性とでもいうのでしょうか。
素謡《神歌》のシテ井上裕久さんと、能《羽衣》のシテ吉田潔司さんの芸に、とりわけ強くそのことを感じました。
《神歌》は井上一門の、いかにも京観世らしい謡。大好きです。
仕舞の吉田篤史さんは以前から拝見したいと思っていたので、拝見できてよかった!
吉田潔司さんの《羽衣》は、天上から吹く風に乗って軽やかに舞うような、天女のやさしい後光を感じさせる舞で、こちらも幸せな空気に包まれていくよう。
吉浪さん地頭の地謡もすばらしい。
境内に詰めかけた地元の人たちも、お祭りと、お能と、この場に居ること自体を心から楽しんでいらっしゃる御様子で、あたりいっぱいがあたたかくて良い「気」に満たされ、そこに一緒に存在していることがとても心地よかった。
こういう場の空気、神々の存在する場のエネルギーそのものを感じる素朴な幸福感が、神事能の魅力のひとつです。
いただいた福豆 |
神心流尚道館・六世家元 |
観能熱、けっこう冷め切ってたけれど、久々に拝見すると良いものですね。
11月・12月はお目当ての公演がいろいろあるので、楽しみです。
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