用事で近くまで来たので、図書室で名人の舞台映像を観てからこちらへ。
贅を凝らした刺繍、染めの美しさ。装束の素晴らしさもさることながら、櫛や簪のコレクションも国立博物館級の逸品ぞろい。これだけでも一見の価値あり。
振袖打掛「赤花紗綾形鎮図芝垣花霞繍振袖打掛」 |
黒繻子瀧桜紅葉繍打掛(「壇浦兜軍記」阿古屋など) |
かしら 傾城 |
黒繻子牡丹繍俎板(まないた)帯 |
(左)紫繻子槍梅染繍半素襖(寿式三番叟「千歳」) |
↓以下に紹介する櫛や簪は文楽人形用のものではなく、日本舞踊の演者に化粧を施す顔師だった故人のコレクション。コレクターの没後に文楽劇場に寄贈されたそうです。
黄楊や象牙、鼈甲に精巧な蒔絵や螺鈿細工が施された櫛は、どれも思わず見入ってしまうような名品ばかり。
きっと女性美に徹底的にこだわり、研究されていたのでしょうね。
柳に初冠に弓かな? 判じ絵でしょうか?
掛け軸に矢筈、書物に勾玉。。。? これも判じ物?
精緻な蒔絵。
手の込んだべっ甲細工。芝露のキラリと光る露は、ガラス玉or真珠?
繊細で可憐な秋の花々。
ボリュームのある大輪の菊を高度な蒔絵技法で表現。
象嵌と彫金でしょうか。
筥迫(はこせこ) |
解説によると、筥迫とは、懐に入れてもつ箱型の紙入れで、懐紙や鏡などを入れたそう。ポーチのようなものだったんですね。
チャームのように下に垂らしているのは、香り袋。
そういえば、花嫁衣装を着たときに、着付けの人がわたしの懐中に忍ばせたのが、たぶん、筥迫だったと思う。懐剣を胸元に挿して……。
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