翁付絵馬・女体の終演後はバックステージツアー。
舞台上から二階席を見る |
舞台正面の階(きざはし)からのぼって、緋毛氈の敷かれたところを歩く。
能舞台にあがるのも生まれて初めて。
なんて言えばいいんだろう、照明が思った以上にきつくて、まぶしい。
クラクラ、めまいがしそう。
見所は「眼」の集合体。
あらゆる眼が、一斉にこちらを見る。
無数の眼が、固唾をのんで凝視している。
そのなかで、重い装束を身につけ、
暗く息苦しい能面の裏で、
狭い視界で、
ほんの少し見える四本の柱と、足の裏の感覚だけを頼りに、
限りなく、夢のように、美しく舞う━━。
シテとして舞台に出るというのは、「戦場に放り出されるようなもの」。
そう言っていた片山九郎右衛門さんの言葉を思い出す。
そこでは、グラディエーターのように、
生死をかけた戦いが静かに繰り広げられる。
そんな場所なのだ、能舞台というのは。
後座から見た揚幕と橋掛り |
作り物のなかは、ほんとうに狭い。 |
切戸口 |
茶道のにじり口ほどではないにしろ、思った以上に、低い。
ここを、そつなく、きれいな所作で通り抜けるだけでも至難の業だ。
社中会で素人の方がふつうにくぐっているように見ても、実際には難しいことだと気づかされる。
鏡板の老松 |
装束の間 |
この狩衣は、平成になってから作られたものとのこと。
囃子方さんたちが着けていた侍烏帽子 |
鏡の間にて |
なるほど、これが「神々との邂逅」だったんだ!
皆さん、最初は微動だにしないので、人形かと思うほど。
時々、機械仕掛けのように、順番に幣を振り、片袖を被き、両袖を巻き上げて、決めポーズ。
何気なく立っているようでいて、骨格・姿勢の整い方がふつうの人と違うから、間近で見るとほんとうにきれい。
マジックミラーの裏側から |
貴重な経験でした!
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