2015年12月22日(火)冬至 18時30分~21時 銕仙会能楽研究所
一調 《芭蕉》 観世銕之丞 × 亀井忠雄
能 《定家》 シテ味方玄
ワキ宝生欣哉 ワキツレ大日方寛 御厨誠吾
アイ野村萬斎
杉信太郎 大倉源次郎 亀井広忠
後見 観世銕之丞 山崎正道
地謡 片山九郎右衛門
観世喜正 坂真太郎 谷本健吾
坂口貴信 林宗一郎 鵜澤光 観世淳夫
装束付 川口晃平 お運び 安藤貴康
快適な観能環境とはいえなかったものの、
(慣れない体勢で長時間座ってたので太ももが筋肉痛 (>_<))
わたしが見た中では本年屈指の名舞台でした!
いや、凄かった!!
先月、Eテレで放送された三響会特集で、広忠さんが
「(八世銕之丞に)お稽古を受けたなかで、いちばん思い入れが深い、
なおかつちばん懇切丁寧に教えていただいた曲」と
おっしゃっていた《定家》。
同番組では「第九会 広忠の会 メイキング」さながらに、
広忠さんの御自宅舞台での九郎右衛門さんとの稽古シーンが流れました。
九郎右衛門さんが、「今は玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば、
忍ぶることの弱るなる。心の秋の花薄」と謡い、
広忠さんがそれに合わせて張扇を打ちながら
お二人で八世銕之丞の教えをたどっていく映像。
これを見て、広忠の会への期待が否が応でも高まったのですが、
実際の舞台は期待をはるかに上回る素晴らしいものでした。
すでに《定家は》は、第1回広忠の会で
梅若六郎(現・玄祥)師のシテで上演されたそうですが、
この曲を再演するにあたり、
広忠師には並々ならぬ思いと覚悟があったようです。
広忠の会パンフレットには
「祖父から寿夫師へ、寿夫師から静夫師及び父へ、その両師から
九郎右衛門氏と小生へ引き継がれているものを同世代の舞台人たちと確かめ合う。
その為の生贄ともいうべきシテは味方玄以外に考えられなかった」
と記され、
つづいて、味方玄師や九郎右衛門さんとの出会いや
彼らとの青春時代の思い出が綴られていて、
たがいに尊敬し合う、気心の知れた兄弟のような間柄なのが
伝わってきます。
大鼓、シテ、そして地頭。
三人の男が三つ巴となり、定家葛のように絡み合い、
全身全霊で生み出した最高の舞台。
このような舞台に立ちあえたことを、このうえなく幸せに思う。
第九回広忠の会 《定家》前場につづく
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