2014年10月8日 国立能楽堂 19~21時
【プログラム】
オープニング お囃子演奏「獅子」
一噌幸弘 大倉源次郎 安福光雄 観世元伯
トーク 「能のきた道」 大倉源次郎 聞き手 中村暁
ワークショップ1 お囃子の解説と演奏
「波頭」 掛け声の重要性
「揉之段」 エア小鼓
ワークショップ2 能舞台・能面・能装束解説と謡
坂口貴信
謡「高砂」(待謡)
合奏・舞囃子の一部「高砂」
トーク 「日本のゆく道」 大倉源次郎
エピローグ&アンコール
「早笛」「舞働」
パンフレットやサイトを見ただけではどんな内容かいまいち分からなかったけど、
出演メンバーが豪華だったため間違いないだろうと申し込んだ謎の公演。
ふたを開けてみると、上記のように盛りだくさんな内容で、
お囃子好きにはたまらない公演でした。
オープニングは脂の乗りきった現役バリバリの囃子方による「獅子」の演奏。
いつもの囃子座ではなく舞台中央に4人が並ぶ形式だったので迫力満点!
各人の掛け声が獅子の咆哮に聞こえ、身体の芯が熱くなってきます。
ジャズかフュージョンのセッションのようなノリで、気分が盛り上がる!
その後の源次郎師のトークでは、能楽のざっくりとした歴史のほかに、
「小包ではなく小鼓」や「能なんか症(お能なんて高尚だからわからないという症状)」
といったお馴染みの持ちネタを披露。
そしてお待ちかねのワークショップでは囃子方の皆さんが再び登場します。
まずは、それぞれのお道具の特徴を簡単に解説。
源次郎さんが、能管は「のど」があるためオクターブに上がりきらないということを説明するために、
一噌幸弘さんに実演してもらおうとしたのですが、
幸弘さんがいきなり「笑点」のテーマを吹き始めて大暴走。
源次郎さんが「時間が押してるから……」と止めようとするも、
幸弘さんの暴走は止まらず、「笑点」を吹ききって見所から大喝采。
元伯さんと安福さんが「やれやれ」と苦笑モードに入っているのも面白かった。
(それにしても、能管でこれだけ正確な音階を出せるなんて凄い!
この後、幸弘師は「ちびまるこちゃん」のテーマ曲も演奏。
不可能を可能にする方なんですね。)
太鼓の又右衛門台が考案される前は、専用の太鼓持ちがいたというトリビアも。
次に、
囃子方が拍子不合へのアシライでも掛け声だけで間合いをはかる様子を示すべく、
大小鼓が背中合わせになって「波頭」の演奏で実演。
囃子方同士が相手の手を見ずに、掛け声だけを頼りに演奏しているのがよく分かる。
それから見所の観客も参加して、源次郎師の御指導のもと、みんなでエア小鼓。
元伯さんと安福さんもエア小鼓をされていたのですが、
元伯さんが手を間違えたらしく、顔を真っ赤にして照れ笑いをされていて、
とってもキュートでした。
その後、休憩をはさんで後半は、坂口さんによる能舞台・面・装束の解説。
この方、トークもめちゃくちゃ上手いですね。
落とし所や笑わせるポイントを心得ている。
芸力・人気ともに同世代では群を抜いてるし、男前だし、トークも巧い。
そのうえ人気や見た目の良さに胡坐をかくことなく、
拝見するたびに芸がグレードアップしている……。
その後、坂口さんにお稽古をつけていただいているイメージで、
「高砂」の待謡のワークショップが始まり、
囃子方も加わって、観客の謡の後、「高砂」の舞囃子の一部を、
坂口さんと囃子方の皆さんが披露。
そしてふたたび源次郎さんのトークになり、
最後は、今日の出演者の紹介の後、お能には珍しくアンコールとして
「早笛」と「舞働」の演奏と舞が披露され、お開きとなりました。
驚くほどコスパの高い公演で大満足。
追記: 主催のジャポニズム講演会は、東本願寺法主次男御夫妻が会長・副会長を務めていらっしゃる協会。
大谷派といえば京都の一大勢力ですから、こうした豪華な催しもされるのですね。
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