2018年7月11日水曜日

神用水清祓式

2018年7月10日  鴨川・四条大橋

神輿洗式のために斎竹で結界が張られた鴨川・四条大橋

 
心が痛むことが多くて、しばらく引きこもっていた。
久しぶりに外へ出ると、鴨川はまるで何事もなかったかのように水が引き、遊歩道も元通りになっていた。

この日は、祇園祭の行事のひとつ、神輿洗式の日。
四条大橋には斎竹で結界が張られ、午前中には神輿を清めるための神用水を汲み上げて修祓する「神用水清祓式」が行われた。


京の東に位置する八坂神社は、四神獣(玄武・青龍・朱雀・白虎)のうちの青龍が宿る聖地であり、御霊信仰のみならず、龍神信仰のお社でもある。

主祭神の素戔嗚尊は、たびたび氾濫を起こした斐伊川の象徴であるヤマタノオロチを退治して、治水事業を行った。
また、素戔嗚の妻・櫛稲田姫と習合した頗梨采女(牛頭天王の后)は、龍王の娘(龍女)であり、かつては少将井の井戸(現在の御手洗井)に独立した御旅所があり、霊威の強い神として崇敬されていたという。

つまり、祇園さんは、水の恵みをもたらす龍の宿る社でもあり、荒ぶる龍(河川)を鎮める聖地でもあるのだ。


この日立ち会った「お迎え提灯」と「道しらべの儀」、そして「神輿洗式」にも、鴨川の恵みと脅威に対する畏敬の念が強く感じられ、大地震や大雨を立てつづけに経験したいま、自然の力にたいする畏怖の心をいにしえの人びとと共有している気がした。










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