清凉寺の嵯峨狂言に行く途中で野宮神社に立ち寄ったのですが、この日は午後から斎宮行列があったため、正午の境内は平安装束の人々であふれていました。
狭い参道も、観光客ですし詰め状態。
そんなわけで、野宮神社は清凉寺からの帰りに再度訪れることにしました。
「夕暮れの秋の風、森の木の間の夕月夜」 |
やはり、黒木の鳥居には、凛と引き締まった「結界感」があります。
樹皮がついたままの徳島県産クヌギの原木を使用した鳥居。
貴重な原木なので、樹脂加工が施されているとのこと。
樹皮の質感と黒の色合いがシックで、美しい。
この形は、日本最古の鳥居形式といわれています。
明かりの灯った境内。
最近は縁結びで人気なので、若い女性やカップルで大変にぎわっていました。
『源氏物語』や能《野宮》では、どちらかというと「別れ」のイメージが強いのですが、境内には縁結びの神様として知られる大黒天が祀られているため、そちらを観光のウリにしているんですね。
大黒天の横には、「お亀石」という亀の形をした岩があり、これを撫でながら一つだけ願い事をすれば、一年以内に叶うとか。
わたしも、あることをお願いしてみました。
さて、どうなりますことやら。
「ものはかなしや小柴垣……」 |
原宿か渋谷のような若い男女の賑わいをよそに、黒木の鳥居と小柴垣のまわりにだけ冷え寂びた空気が漂っていて、能の《野宮》の雰囲気を少しだけ味わうことができます。
「野宮竹」といわれる真竹。
かつては大嘗祭にも使用されたと言います。
光源氏も、野宮竹の鬱蒼と生い茂るうら寂しい道を通って、ここへ詣でたのでしょうか。
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