2018年3月16日金曜日

宝生能楽堂 ~ 能楽堂建築シリーズ6

1978年竣工 東京都文京区本郷(JR・都営三田線水道橋駅)

宝生流の牙城。東京と金沢という、2つの拠点を持つのもこの流儀の強み。

わたしにとっては、都内でもっとも使い勝手のいい能楽堂。

アクセス、広さ、設備、どれも申し分なく、
見所からの見やすさや、オープンな親しみやすさ、周辺飲食店の多さなど、いろいろ便利。




明るく開放感のある、広い窓のついたロビー
傾斜地にたつマンションの1、2階をうまく活用。能楽堂自体に階段がなく、完全バリアフリー。

ロビーもゆったりくつろげ、細長い通路状ではないので、他の能楽堂に比べると、比較的移動しやすい。

ちなみに、わたしは入ったことはありませんが、宝生グリルというレトロな喫茶店?、食堂?、もあります。




能舞台の屋根は寄棟造り

この規模の大型能楽堂としては、見所との距離が比較的近く、座席列の高さもほど良く、見やすい。

ひとつだけ難をいえば、見所の照明が微調整できないこと(めちゃくちゃ明るいか、真っ暗かのどっちか)。
通常は蛍光灯が煌々と照っているせいか、現実に引き戻される気がして、すこし残念。




適度な長さの橋掛り

橋掛りも、長すぎず、短すぎず、ちょうどよい。

《鞍馬天狗》の花見稚児や、《紅葉狩・鬼揃》の鬼女たちがずらりと並んださま、橋掛りや欄干に足を載せる九郎右衛門さんの印象的な型や、宝生流若手によるキレのいい欄干越えを観たのも、この橋掛り。

そして、この能楽堂は音響が素晴らしく、ここで何度も聴いた観世元伯さんの太鼓の音色は大切な宝もの。





生松

橋掛りに使われているのは、本物の松。
写真でも、下のほうの松葉が少し茶色く枯れかかっていて、
松が生きているのがわかる。
みずみずしく、形がきれいですね。




ロビーにある立派な銅像
歴代家元の銅像。
左端が、伝説の巨人・宝生九郎翁。




16世宝生九郎知栄
 明治の三名人と謳われたザ・レジェンド、宝生九郎知栄。



五雲の扇のいはれ

銅像の横には、五雲の扇の謂れが。




金毘羅宮東京分社

水道橋の能楽堂は、こんぴらさんを抜きにしては語れない。
能楽堂に行くたびに、あるいは近くを通るたびに、ほぼ必ずお参りをしたものです。

ほんとうに、幸せを呼ぶこんぴらさん。




水道橋稲荷大明神

もちろん、ここのお稲荷さんも!







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