2015年3月17日15時開演 観世能楽堂
舞囃子《高砂》 大松洋一 ワキ 江崎敬三
槻宅聡 曾和尚靖 石井保彦 上田慎也
地謡 観世喜正 鈴木啓吾 小島英明
久保誠一郎 坂真太郎
独鼓 《駒之段》(幸清流)佐藤俊之 森澤勇司
仕舞 《祇王》(宝生流)松田若子 石黒実都
地謡 大友順 野月聡 渡邊茂人 小倉伸二郎
仕舞 《難波》 武富康之
《屋島》 浅見慈一
《羽衣》 津村聡子
地謡 浦部幸裕 吉浪壽晃 寺澤幸祐 橋本光史
袴狂言《口真似》 善竹隆司 山本泰太郎 山本則孝
後見 山本東次郎
舞囃子《小袖曽我》 水上優 小倉健太郎
相原一彦 竹村英敏 高野彰
地謡 大友順 野月聡 渡邊茂人 小倉伸二郎
連吟 《熊野》(金剛流)今井克紀 豊嶋晃嗣
独鼓 《田村》キリ 武田孝史 小鼓 幸正佳
仕舞 《舎利》 遠藤和久 遠藤喜久
《鞍馬天狗》角当直隆
地謡 浦部幸裕 吉浪壽晃 寺澤幸祐 橋本光史
舞囃子《竹生島》 佐々木多門
藤田六郎兵衛 荒木建作 井林久登 麦谷暁夫
地謡 粟谷能夫 友枝真也 大島輝久
一調 《放下僧》小歌 野村四郎 柿原光博
袴狂言《福の神》野村又三郎 井上松次郎 高澤祐介
舞囃子《龍虎》 味方團 田茂井廣道
藤田六郎兵衛 古田寛二郎 飯嶋六之佐 桜井均
地謡 加藤眞悟 藤波重孝 八田達弥
山中迓晶 岡庭祥大
東京のみならず、名古屋・関西・九州のさまざまな流派を拝見できる新会員披露記念能。
とても充実した会でした。
まずは、舞囃子《高砂》。
大鼓の石井保彦さんと太鼓の上田慎也さんは初めて拝見するけれど、
どちらもとても好い囃子方さんだ。
要チェック!
(観世流の太鼓も好きだけれど、
神舞の時は金春流の太鼓の譜のほうが華やかで迫力がある。)
槻宅さんの笛も、寺井政数・中谷明系の笛で私は好きなのです。
観世喜正さん地頭の地謡も言うまでもなく素晴らしく、
久しぶりに鳥肌の立った《高砂》だった。
幸清流の独鼓、森澤さん、少し緊張されていたような。
国立能楽堂研修生から重要無形文化財総合指定に認定されるのは
並大抵のことじゃないだろうな。
蔭ながら応援しています。
宝生流の仕舞《祇王》と舞囃子《小袖曽我》は、どちらもきれいに合っていた。
観世流の相舞って、わりとバラバラで「我が道を行く」的な
(違いを楽しんでください、みたいな)ところがあるけれど、
宝生流は合わせ鏡のように美しく合わせることを重視するのかしら。
こういう会って、謡や舞の流派の違いを比較できるから面白い。
舞囃子《小袖曽我》では、竹村英敏師の小鼓がとても好い響きでした。
この方も京都の囃子方さんなのですね。
関西のシテ方さん(浦部幸裕師、吉浪壽晃師、寺澤幸祐師、橋本光史師)
で固められた仕舞の地謡も素晴らしかった。
遠藤和久・喜久兄弟の仕舞《舎利》も迫力満点。
そして圧巻だったのは、舞囃子《竹生島》。
佐々木多門さんはツレでしか拝見したことがなかったけれど、
この方の謡と舞姿には人を惹きつける「花」がありますね。
足拍子を踏むときにも上半身はまったく不動で、揺るぎのない美しさ。
こういう方の光る舞を観ると、
たんに上手い芸と、魅力的な芸との違いとは何だろうと思ってしまう。
好みの問題もあるだろうけど、ただ「うまいね」で終わる人と、
観る者の心に突き刺さる「何か」を持っている人との違いとは、
いったいなんなのだろう?
和泉流の袴狂言《福の神》。
野村又三郎さんの圧倒的な存在感!
発声も素晴らしいし、なによりも凄いのは、いかにもめでたい笑い声。
狂言師にとって、面白おかしく笑うことは必須科目だけれど、
ほんとうに可笑しそうに、そして祝言性を醸しながら
うまく笑える人はそう多くはない。
笑い方は、狂言師の芸力の1つの物差しになる。
最後は田茂井さんと味方團さんが《龍虎》を舞い、
「千秋の秋津島、治まる国ぞ久しき」と《淡路》の附祝言で御ひらき。
終演後は、遠方から来られた能楽師さんや他流の能楽師さんたちが
観世能楽堂の前で写真をパチパチ。
帰り道では、
観世宗家(いつも黒塗りの車での送迎なので徒歩なのにビックリ)や
山本東次郎師(いつ見ても可愛い!)をはじめ、能楽師の方々がぞろぞろと東急のほうへ。
おそらく記念披露パーティに向われていたのでしょう。
こういう松濤名物的な光景も見収めです。
さようなら、観世能楽堂!
とても充実した会でした。
まずは、舞囃子《高砂》。
大鼓の石井保彦さんと太鼓の上田慎也さんは初めて拝見するけれど、
どちらもとても好い囃子方さんだ。
要チェック!
(観世流の太鼓も好きだけれど、
神舞の時は金春流の太鼓の譜のほうが華やかで迫力がある。)
槻宅さんの笛も、寺井政数・中谷明系の笛で私は好きなのです。
観世喜正さん地頭の地謡も言うまでもなく素晴らしく、
久しぶりに鳥肌の立った《高砂》だった。
幸清流の独鼓、森澤さん、少し緊張されていたような。
国立能楽堂研修生から重要無形文化財総合指定に認定されるのは
並大抵のことじゃないだろうな。
蔭ながら応援しています。
宝生流の仕舞《祇王》と舞囃子《小袖曽我》は、どちらもきれいに合っていた。
観世流の相舞って、わりとバラバラで「我が道を行く」的な
(違いを楽しんでください、みたいな)ところがあるけれど、
宝生流は合わせ鏡のように美しく合わせることを重視するのかしら。
こういう会って、謡や舞の流派の違いを比較できるから面白い。
舞囃子《小袖曽我》では、竹村英敏師の小鼓がとても好い響きでした。
この方も京都の囃子方さんなのですね。
関西のシテ方さん(浦部幸裕師、吉浪壽晃師、寺澤幸祐師、橋本光史師)
で固められた仕舞の地謡も素晴らしかった。
遠藤和久・喜久兄弟の仕舞《舎利》も迫力満点。
そして圧巻だったのは、舞囃子《竹生島》。
佐々木多門さんはツレでしか拝見したことがなかったけれど、
この方の謡と舞姿には人を惹きつける「花」がありますね。
足拍子を踏むときにも上半身はまったく不動で、揺るぎのない美しさ。
こういう方の光る舞を観ると、
たんに上手い芸と、魅力的な芸との違いとは何だろうと思ってしまう。
好みの問題もあるだろうけど、ただ「うまいね」で終わる人と、
観る者の心に突き刺さる「何か」を持っている人との違いとは、
いったいなんなのだろう?
和泉流の袴狂言《福の神》。
野村又三郎さんの圧倒的な存在感!
発声も素晴らしいし、なによりも凄いのは、いかにもめでたい笑い声。
狂言師にとって、面白おかしく笑うことは必須科目だけれど、
ほんとうに可笑しそうに、そして祝言性を醸しながら
うまく笑える人はそう多くはない。
笑い方は、狂言師の芸力の1つの物差しになる。
最後は田茂井さんと味方團さんが《龍虎》を舞い、
「千秋の秋津島、治まる国ぞ久しき」と《淡路》の附祝言で御ひらき。
終演後は、遠方から来られた能楽師さんや他流の能楽師さんたちが
観世能楽堂の前で写真をパチパチ。
帰り道では、
観世宗家(いつも黒塗りの車での送迎なので徒歩なのにビックリ)や
山本東次郎師(いつ見ても可愛い!)をはじめ、能楽師の方々がぞろぞろと東急のほうへ。
おそらく記念披露パーティに向われていたのでしょう。
こういう松濤名物的な光景も見収めです。
さようなら、観世能楽堂!
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