生駒ビルヂング、1930年、宗兵蔵、大倉三郎、脇永一雄 |
3面ファサードで構成された特徴的な外観は、交差点の一角に建つこのビルならでは。
時計店の建物らしく、端には時計塔がそびえ、時計台の下から、振り子を模した出窓と丸窓が下に向かってのびている。
1~2階を貫くアーチが地面から伸びあがり、その細長いフォルムをバルコニーが分断する。
外観全体にスペイン風やアールデコの装飾技法が施され、ウィーン分離派の影響も見てとれる。
3階以上は長押を挿入して窓面を分割することにより、壁面に均等なリズムを刻んでいる。
長押や軒蛇腹に多用された瀟洒なテラコッタ細工。
中央の装飾には生駒時計店の「生」の文字をあしらい、グリーンの彩色がピリッと全体を引き締めている。
アーチを分断するバルコニーに止まっているのは、鷲の彫刻。
ゴシック建築のガーゴイルを思わせる面白い意匠だ。
鷲の彫刻のアップ |
愛嬌があってキュートな鷲さんだ。
長押の装飾や化粧レンガの文様も凝っていて個性的。
レンガの色や微妙に凹凸を聞かせた貼り方も絶妙だ。
いろんな発見がある楽しい建物だった。
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