2019年5月6日(月) 住吉大社・神館
大正天皇の即位大礼を記念して大正4年に建立された神館(しんかん)。
国の登録文化財に指定されています。
設計は池田實。
現在は皇族の御休憩、供進使の参籠、神事の式場などに使用され、ふだんは非公開ですが、この日は新天皇即位奉祝として特別公開されていました。
唐破風造の玄関車寄。
正面だけでなく、各面に破風をみせる複雑な屋根構成をしています。
ゆったりとした品格のある優美な建物です。
建物内部では御即位記念として、神武~仁徳~聖武から平成まで歴代天皇の肖像画や、『住吉大社神代記』(天平期のレプリカ)などが展示されていました。
住吉明神が和歌の神様だけあって、古今伝授や御所伝授の展示も。
神館内部でいちばん興味深かったのが、広間中央に設けられた「玉座」です。
御簾の向こうの一段高い上段に設けられた玉座は、折上げ格天井の畳敷き。そこに、金の革張りのハイバックチェアと簡素な木製の机が置かれ、両脇には阿吽の狛犬が控えていて、玉座を守護しています。
大正天皇や昭和天皇がご休憩された時は、ここに座られたのでしょうか。
いかにも現人神が座ったであろう玉座でした。
(内部は撮影禁止だったため、残念ながら「玉座の間」の写真はありません。)
廊下や欄干、欄間や窓の桟が織りなす直線のデザインが、どことなくアールデコ風。
庭には高さ18メートル、樹齢800年を超えるクスノキ。
この土地の精霊が宿っているのを感じます。
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