〈プログラム〉
出演者によるトーク
小西玲央 山本章弘 司会:旭堂南春
落語《TAKOYAKI TIME》 ダイアン吉日
三味線 勝正子 鳴り物 桂紋四郎
狂言《柿山伏》シテ山伏 善竹隆司
アド畑主 善竹隆平
後見 上吉川徹 働き 小西玲央
半能《猩々》シテ 山本彰弘
杉信太朗 古田知英 石井保彦 田中達
後見 前田和子
地謡 大西礼久 今村一夫
山下あさの 山本麗晃
司会は、アメリカ人の女性講談師・旭堂南春さん。ジョークを交えながらの分かりやすい英語で楽しく解説してはりました。
トークと落語は英語だったけれど、さすがに狂言とお能は通常の日本語の古語+字幕での上演。字幕は、日本語・英語・中国語・韓国語の四か国語がプロジェクターで壁に映写されます。こんな感じに。↓
プロジェクターで壁に映写された四か国語(「上方」の訳が「Osakan」、つまり上方=大阪になっているんですね。) |
まずは落語から。
【落語《TAKOYAKI TIME》 ダイアン吉日】
ダイアンさんはイギリス人の女性落語家。大安吉日をもじって「ダイアン吉日」という芸名。ご自分で着付をされたのでしょうか。少し派手めのピンクの着物が、細身長身のダイアンさんにとても似合ってはります。所作もきれい。
演目は、上方の古典落語「時うどん」のスピンオフ作「たこやきタイム」。
関西では、「時そば」ではなく「時うどん」というのも、この日はじめて知りました。へぇ~、です(笑)。
ストーリー展開はだいたい「時うどん」と同じ。
「時そば」は客がひとりで蕎麦屋をごまかすのですが、「時うどん」では二人組の客が登場します。「たこやきタイム」でも「時うどん」にならい、ボケとツッコミ役の二人組が出てきます。
みどころは、たこやきを焼く店主と、熱々のたこやきを食べる客の形態模写。
ダイアンさんは、鉄板の上でたこ焼きを転がしたり、刷毛でソースを塗ったり、青のりやかつおぶしを振りかけたりと、芸が細かい。ピックでたこ焼きをつつく手つきがとてもリアル。たこ焼きの湯気にかつおぶしがゆらゆら揺れる感じも伝わってきます。
それに、アツアツのたこ焼きをフウフウ言いながら食べるところといったら!
表面をパリッと焼いたたこやきを頬ばり、めちゃ熱の中身が口の中でトロッと出てくる、あの感じが見事!
英語も聞き取りやすく、時々日本語をはさみながらの高座だったので、日本人も外国の方も楽しめたようです。
それにしても、鏡の間からハメモノ(三味線や鳴り物)が聴こえてくるのが、なんともシュール。面白い体験をしました。大阪ならではですね。
【狂言《柿山伏》】
善竹隆司さんって、梅若紀彰さんにどことなく面差しが似ている。どちらもハンサム。
隆司さんの山伏もよかったけれど、隆平さんの畑主がとくに面白かった。山伏の呪文でググッと後ろに、強い磁場に引かれるように引き戻されるところなんか、最高。
【半能《猩々》】
装束付舞囃子のような半能《猩々》。
山本彰弘師のお舞台ははじめて拝見しますが、いかにも名家の当主然とした鷹揚で品格のある舞。それでいて、酔いのまわった恰幅のいい殿様が興にのって舞っているような、明るくめでたい軽みがある。
地謡はなんとなく正統派の宗家系に近い感じで、明らかに京都の地謡とは違います。
太鼓方観世流の田中達さんの太鼓は、3年前に東京の矢車会の一調で聴いただけだったから、一曲のなかできちんと聴くのは初めて。矢車会、懐かしいな。。。
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