開場入口には、着物愛好家のIKKOさんや市田ひろみさんからのお花も。 |
明治から大正、昭和初期の贅を尽くしたアンティーク着物、
美術的価値のある精緻な帯留めなどがずらり。
帯留めは、珊瑚や貝を使った芝山細工や七宝・螺鈿細工のものから
宝石をちりばめた根付のようなものや名匠の彫金が施されたもの、
蜻蛉や蝉をモティーフにしたアール・ヌーヴォーのものまで
目を見張るようなものばかり。 ため息……。
泉鏡花や夢野久作、谷崎や乱歩のヒロインってこういう着物を着ていたんだろうな。
昔の着物ってほんとうに凝っていて、現代には出せない色合い。
優れた染色技術や日本刺繍の細密技法で生み出された着物たち。
着物の模様は写実的な花鳥画もあれば、印象派のような甘美な色柄や
トロピカルな柄もあれば、タペストリーのような細かい柄もある。
いま流行りの都会の風景に馴染むベージュやグレーのシックな着物は
着る人を選ぶけれど(わたしは恐ろしいほど似合わない(>_<))、
昔の着物はすべての日本女性の肌を美しく引き立てる。
長羽織のシルエットも、日本の女性をスラリと姿好く、奥ゆかしく見せる。
『細雪』の鶴子のための鶴物語 |
会場には着物姿の女性がたくさん来場。
はんなり系や粋な着物、渋い着物や、ブーツをはいたハイカラさん風、
アヴァンギャルドな着こなしまで、
ひと口に着物といっても十人十色。
それぞれの個性が光っていて、来場者の着物姿を見るだけでも楽しい。
子供の頃、
奈良町に住んでいた母の従妹がいつも綺麗な着物を着ていて、
町屋の風景と溶け合ってとても美しく、子供心にも憧れていたことを思い出す。
やっぱり、現代風のスーツっぽい垢抜けた着物よりも
アンティーク着物のような着物らしい着物が好きだな。
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