能楽殿手前には尾花の叢。井筒の作り物に使われたススキとよく似ていた。 |
仕舞 《蝉丸・道行》 阪本昂平
《融》 長谷猪一郎
連吟 《松風・ロンギ》 藤田安彦、中市篤志
仕舞 《羽衣・キリ》 櫻間右陣
能 《井筒・物着》 シテ伊藤眞也 ワキ森常太郎
成田寛人 田邊恭資 柿原孝則
後見 櫻間右陣 藤田安彦
地謡 長谷猪一郎 桑原朗 志賀朝男 青木伸夫
阪本昂平 中市篤志 杉井久信 柿沼義孝
お天気も持ちそうだったので東京国立博物館の帰りに、薪能に寄ってみた。
鳩森神社は前から気になっていたけれどいつも素通りで、参拝するのは初めて。
例大祭だけあって神輿が出ていて威勢がいい。
今度は富士塚にも登ってみよう。
鳩森神社の能楽殿。ふつうの能舞台よりも舞台が高い(首が疲れる~)。 |
金春流の舞台を観たのは2回くらいで、この日のシテ方出演者も初めての人ばかり。
お名前だけは存じ上げていた櫻間右陣師。
もっとお年を召した方だと勝手に想像していたので、思ったよりも若い。
おいくつくらいだろう?
金春流の謡はなめらかで角がなく、丸みを帯びた大和の小高い山々を思わせる。
聴いていて心地良く、催眠効果が高い。
舞もふわっとした印象。
能の装束つけやススキをかき分ける所作などがちょっと……だったけれど、
そういう細かいことは気にしない大らかさ。
神さまも衒いのない大らかな献能を喜ばれたことだろう。
神賑能は神さま(本神社では応神天皇と神功皇后)に捧げる能。
それを見せていただいている立場なので細かい感想は控えるけれど、
終演後、帰り際に、近くにいた二十代くらいの男性二人が、
「なんか、よかったねー」「日本の夏を満喫したって感じ」
「渋谷でこういうが見られるなんて凄い!」「うん、よかった!」と、
とても満足した感想を述べ合っているのを聞いて、
なんだかこちらも心が温かくなった。
わたしもお能を観はじめた頃の、素直なときめきやワクワク感を大切にしたいなーと
思った夜だった。
0 件のコメント:
コメントを投稿