2015年2月19日木曜日

鎌倉能舞台45周年記念乱能~狂言《六地蔵》から一調まで

          

狂言 《六地蔵》
  シテ 舘田善博 アド 野口能弘 野口琢弘 梅村昌功
  後見 御厨誠吾


能《翁》のあと少し席を離れたので途中から。
すっぱの親玉・舘田善博が、子分役の野口琢弘さんと梅村昌功さんに
「なんでそんなにセリフが棒読みなの?」と言って、
見所が大爆笑しているところから拝見。

田舎者を騙すために、すっぱ3人で別の場所に3体ずつある仏像を演じるのですが、
橋掛りと地謡前をすばやく移動して、異なる印を結ぶ仏像の真似をするという、
「だるまさんが転んだ」状態がとても面白く、狂言でこんなに笑ったのは初めてというくらい。


演者に今まで以上に親しみが持てるのも、乱能の良いところ。




半能 《吉野天人 天人揃》
  シテ 一噌隆之 

  ツレ 柿原弘和 鵜澤洋太郎 小寺真佐人 林雄一郎
  ワキ 河村眞之介 
  ワキツレ大野誠 奥津健太郎 野口隆行
  笛  新井麻衣子 小鼓 弘田裕一 大鼓 内藤連 太鼓 五木田三郎
  地謡 岡本はる奈 鳥山直也 大倉慶乃助
     梶谷英樹  久田舜一郎  古賀裕己
  後見 善竹大二郎 大蔵千太郎


シテの一噌隆之さん。
ふだんの舞台では紋付の襟元を広めに開けて、飄々とした野武士っぽいイメージだったのですが、
増の面をかけ、装束をつけた天女姿はめっちゃ美人!!
これは意外だったなー。 
隆之さんに対する見る目が変わりそう。 
足のハコビも姿勢も舞姿もきれいでした。


ツレの柿原弘和さんは細身の楚々とした嫋やかな美女。
奥ゆかしさすら感じさせます。

そして、同じくツレの鵜澤洋太郎さん。
おそらく《吉野天人》の影の主役は洋太郎さんだったのでは。
(鵜澤さんと森常好さんは笑いをとることに命を燃やすタイプですね(笑))。


足はガニ股だし、面をかけていて正面しか見えないので、
足元を何度も確認する姿が可笑しくて、見所は終始大爆笑。
半分は受け狙いだと思うけれど、でも実際、足元が見えずに舞台端で舞うのって
怖いだろうなー。


橋掛りで舞っている小寺真佐人さんと林雄一郎さん(どちらもきれい)は
独自の世界を創っていて、これはこれで面白い。


弘田裕一さんと内藤連さんの大小鼓と、五木田三郎の太鼓(金春流)もお上手でした。


(補足)
乱能ではさんざん笑ってしまいましたが、
狭い能舞台で三人一緒に舞うのは本職のシテ方でも相当難しいみたい。
脇正面側で舞った洋太郎さんが足元を気にするのも致し方なかったかなと。
(かんた先生がそれを見越して、3人をこういう配置にしたのかも。)




舞囃子 《舎利》
  シテ足疾鬼 深田博治  ツレ韋駄天  高野和憲
  笛 大日方寛 小鼓 御厨誠吾 大鼓 殿田謙吉 太鼓 則久英志
  地謡 中村修一 徳田宗久 観世元伯 藤田貴寛




生真面目にふざけていて、独特のとぼけた可笑しみがある深田さんと高野さん。
足疾鬼と韋駄天の舞働も迫力とキレがあって良かったのですが、
なんだか変な形の舎利壺だなーと思って見ていたら、
まん中がカパッと開いて、中からもじゃもじゃ頭のウィッグが出てきたり、
コントで使うピコピコハンマーで足疾鬼を退治したり。

最後は、もじゃもじゃヅラを地頭の元伯さんに被せて、
シテとツレが元伯さんに扇で叩かれておしまい。
(元伯さんをいじめちゃだめ!)

隣の徳田さんが「若宗家になんてことを!」という感じで、少しオロオロしているのが面白かった。







舞囃子 《鸚鵡小町》 
  シテ 一噌庸二
  笛 鈴木啓吾 小鼓 中森貫太 大鼓 味方健
  地謡 亀井広忠 柿原弘和 國川純 鵜澤洋太郎


一噌庸二師ってお笛の時もそうだけれど、佇まいに品格のある方ですね。
《鸚鵡小町》の曲の位に合っていて、前半の見せ場でした。

鈴木啓吾師の笛がうまく、笛を吹く姿もキマッテいます。
味方健師の掛け声が重厚で渋い。
鵜澤洋太郎さんが地謡座から小鼓のかんた先生に指導するのが大ウケ。 





一調   
    玉之段  柿原崇志           小鼓 梅若猶彦
    遊行柳  河村総一郎          太鼓 清水義也
    笠之段  國川純            大鼓 駒瀬直也





席を立っていたので《遊行柳》の途中から。

清水さんの太鼓(金春流)がかなり上手い!
器用な方なのですね。

國川さんの謡は予想通り味わい深い。
(《鸚鵡小町》の地頭もとても好かった。)
やはり掛け声の好い人は謡も上手いのだろうか。


















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