2015年6月27日(土) 10~18時 国立能楽堂
【出演シテ方:舞囃子出演順】
和久荘太郎
坂口貴信
片山九郎右衛門
谷本健吾
辰巳満次郎
川口晃平
木月孚行
朝倉俊樹
亀井保雄
観世銕之丞
観世喜正
山崎正道
高橋章
梅若紀彰
梅若玄祥
観世清和
浅井文義
大坪喜美雄
【囃子方:出演順】
一噌隆之
飯田清一
金春國直
鵜澤洋太郎
藤田六郎兵衛
杉信太朗
観世新九郎
幸正昭
観世元伯
大倉源次郎
亀井俊一
松田弘之
亀井広忠
田中傳左衛門
田中傳次郎
卒倒しそうなくらい絢爛豪華な社中会。
まさにシテ方の競演、素人の方々もとてもうまく、たいへん見応えがあった。
なかでも、九郎右衛門さんと紀彰さん。
犬王と世阿弥の立合もかくやらんと思うほどの凄まじくも美しい対決で、
思わず身を乗り出しそうになってしまう。
お二人とも季節先取りで絽の紋付をお召になっていて、
紀彰さんは地謡の時は黒紋付、舞囃子の時は《邯鄲》と《安宅・延年之舞》の時とでそれぞれ違う趣味の好い色紋付袴をお召になっていた。
そして、お二人とも舞囃子2番を舞われたのだけれど、
ともに2番目の、紀彰さんの《安宅》と九郎右衛門さんの《歌占》が最高に素晴らしく
(気迫みなぎる延年之舞と鬼気迫る地獄の曲舞、見事な技の連続に背筋がゾクゾクした)、
いずれも能1番を拝見したような充実感・大満足感。
この二人の舞台はなるべく見ておきたい。
とりあえず、来月の銕仙会と梅若会が楽しみ!!
観世宗家は明らかに社中会モードで、脱力した舞。
玄人会の「これぞ!」という舞台の時と、気の放出量がぜんぜん違う(笑)。
社中会に御出演される時は、きれいだけれど、どこか放心したような感じになるのですね。
囃子方で印象に残ったのは、金春國直さん。
この半年間で長足の進歩を遂げられて、そうそうたるメンバーの中で堂々と、御家元らしい風格を漂わせながら演奏していらっしゃった。
なんだか感無量。
(わたしも國直さんと同じ年のころに父を亡くしたので、よけいに感慨深いのかもしれない。)
それにしても九郎右衛門さん、忙しすぎじゃないかな。
この日もとんぼ返りで翌日は京都観世会館で《采女》のシテ、
その次の日は京都能楽養成会発表会の監督(?)。
そして次の週末は、東京の観世会で《西行桜》のシテ。
さらにその週の金曜日は銕仙会で《是界》のシテ。
その次の週末は大津で《蝉丸》のシテ。
それぞれの舞台の合間に、素人玄人弟子と御子息のお稽古、地方の小中学校巡業、各理事のお仕事、そしてご自分のお稽古……。
うーん、ファンとしてはお身体が心配です。
九郎右衛門さんはどんな舞台でも(社中会の地謡でも)全力投球されるし、
そこがいいところで、そのひたむきな姿に憧れ、惹かれるのだけれど。
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