2018年7月29日(日)12時30分~16時40分 最高気温34℃ 京都観世会館
《三井寺》からのつづき
能《須磨源氏》シテ老人/光源氏の霊 片山伸吾
ワキ藤原興範 小林努
ワキツレ 有松遼一 岡充
アイ所の者 山本豪一
竹市学 成田達志 石井保彦 前川光範
後見 片山九郎右衛門 梅田嘉宏
地謡 青木道喜 河村博重 分林道治 田茂井廣道
橋本忠樹 宮本茂樹 河村和貴 河村浩太郎
《須磨源氏》は、とにかく、お囃子が素晴らしい!
演奏するほうもノリにノッていて、攻めの姿勢でこちらにぐんぐん迫ってくる。
演能後、「お囃子、凄かった!」の声が、見所のあちこちから聞こえてきたくらい。
竹市学さんの笛はひさしぶりに聴いたけれど、惚れ惚れするような良い音色。
以前よりもさらに研ぎ澄まされ、音に底光りのするような艶がある。
半透明のこのツヤは、藤田六郎兵衛さんの笛にはない、竹市学さん独自のものだ。
そして、成田達志さん。
観世元伯さんとのコンビで聴く小鼓・太鼓がたまらなく好きで、最高の組み合わせのひとつだと思っていた。
(かつて銕仙会で聴いた成田達志&観世元伯さんのコンビ、それに竹市学さんの笛と佃良勝さんの大鼓が加わった《是界・白頭》は、シテが九郎右衛門さん、ワキが宝生欣哉さんだったこともあり、わたしの中ではレジェンド的な舞台だった。)
元伯さんがいない今、成田達志さんの小鼓にいちばん合うのは、前川光範さんの太鼓だと思う。光範さんの掛け声はこの日もとびっきり冴えていて、成田さんとの掛け合いがすばらしく、かっこいい!
石井流の大鼓は打法が独特の人が多いけれど、石井保彦さんもそのお一人。
鼓を打つ前の手が、拳法の構えの手のように、五本の指先をクッと内向きに折り曲げるのが特徴的で、思わず見入ってしまった。
4人の囃子方さんははじめて聴く組み合わせだったので、いろんな発見と驚きがあり、新鮮。
気迫が充実した演奏が聴けたし、シテの片山伸吾さんの早舞もきれいだったし、
片山定期能は料金が申し訳ないほどリーズナブルなのに、ものすごく濃い内容(いいんでしょうか?)。
いろんな意味で、能楽師さんたちの心意気と、お能への「愛」が感じられたのだった。
仕舞の感想につづく
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