……能は、非常に崖っぷちの芸能であると私はいつも思っておりまして、
滅びるかもしれないというところで、どういうふうに普及していくか。
これは非常に難しいところなんです。
逆に言うと「滅びる覚悟」というものをどっかで据えておかないと、能はできないと思うんです。
生き残るために、自分のやっている本質をゆるめてしまうと、それはもう、生き残ってもクローンであって、何か本物ではなくなるような気がしてまして。
それを、普及といったときに今どういうやり方があるのか……。
結局は、目の前にいる皆様方一人ひとりに何か訴えかけるものを、自分が果たしてできるかということ、そして、そこから先はお客様方が持ち帰られたことというものを、次に伝播していただく[ママ]。
これが普及のいちばんの王道ではないかなと私は思っております。
━━片山九郎右衛門(「琳派が翔ける」パネルディスカッションより)
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