2020年3月22日日曜日

大阪証券取引所~ 大大阪時代のモダン建築①


難波橋(ライオン橋)と中央公会堂
引きこもり生活のなか、撮りためていたものを少しずつ整理しています。

ここでご紹介するのは、大阪が「大大阪」と呼ばれ、東京を凌ぐ日本一の大都市だった大正時代~昭和初期のモダン建築です。

中之島・北浜~北船場界隈には、いまも現役で使われている「生きた」近代建築の宝庫。
建築美術が好きな私にとって、お気に入りの散策ルートです。


大阪証券取引所、1935年(保存建替 2004年)
難波橋を渡ると、白い花崗岩に覆われた古典的な建物が見えてきます。

現在の大阪証券取引所ビルは2004年に竣工した高層ビルですが、昭和初期に建てられた旧館は、建物の正面躯体だけを残したもので、高層ビルの新館とドッキングした形になっています。




巨大な角柱のうえに楕円形のマッスが載る威厳のある外観。

柱間には、繊細なデザインが施されたホワイトブロンズ製の面格子。
ローマのパンテオンに、アールデコ調のゴシック窓が組み合わさったような折衷スタイルがユニーク。






内部は三層吹き抜けの広大なホール。

アールデコ調のステンドグラスと、天井から吊り下がるキノコ型のランプは当時のもの。

この建物が現役だった時代、古い映画に出てきそうなクラシカルなスーツに身を包んだ証券マンたちの働く姿が目に浮かぶよう。
大正~昭和初期のファッションって素敵だなぁ。




ローマのパンテオンのオクルスを思わせるかつての天窓
いまは一部が塞がれていますが、かつては株価の青天井を期待して、天井には天窓が設けられていました。

神の見えざる手が導く市場経済。
ここは日本の経済を動かす「聖なる殿堂」だったのですね。





ステンドグラスの光に満ちた空間。
神が介在する資本経済のサンクチュアリを堪能できます。







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