平安神宮で新年奉納を観たあとは、近くの無鄰菴へ。
無鄰菴は、明治29年(1896年)に造営された山縣有朋の別荘。
七代目小川治兵衛の庭園は国の名勝に指定され、南禅寺界隈の別荘群では唯一通年公開されています。
お正月らしいしつらえ。
母屋の和室は簡素な趣き。
今はとても貴重となった手延べの窓ガラス。
木製の桟と歪んだ窓ガラスには、ノスタルジックなむくもりがあります。
見た目は素敵ですが、実際に暮らすには木製サッシの窓と障子ではおそろしく寒い!
とくに冬の京都は……。
こちらは洋館2階の応接室。
ここで、山縣有朋が伊藤博文たちと日露開戦に向けて話し合った「無鄰菴会議」が開かれたといいます。
壁には、狩野派の金碧障壁画。
ストーブの煙突が垂直ではなく、水平にとりつけられているのに注目。
煙突が横向きに取り付けられているのは、見事な障壁画をさえぎらないたよう、設計者・新家孝正(にいのみたかまさ)が配慮したためだそうです。
洋室の天井は、豪華な折り上げ格天井。
和洋折衷のバランスが絶妙です。
薮内流の燕庵を模してつくられた主座敷のある茶室。
母屋の外観。素朴で落ち着いた佇まい。
疎水を引き込んだせせらぎが、耳にやさしい。
カモさんたちも、のんびり、気持ちよさそう。
花も紅葉もなかりけり。
冬枯れの庭園も、いいものです。
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