自分の影が映り込まないように撮影したら、列に並ぶ人たちがガラスに映り込んでしまいました。 |
ひさびさの能楽堂建築シリーズ。
今回はかねてから訪れてみたかった、大阪最古の能楽堂・山本能楽堂です。
古色を帯びた趣きやノスタルジックな雰囲気を残しつつも、最新の設備を取り入れた館内は、機能的で使い勝手が良い。
伝統と革新のバランスが取れていて、能楽堂の改修法として理想的なあり方なのではないでしょうか。
見所前方2列は、昔ながらの桟敷席。
桟敷席が残っているのがうれしい!
中列から後列はベンチ席。
こういうところも機能的。
観客のニーズに合わせてつくられています。
正面から見た舞台。
舞台板が赤っぽく映っているのは、照明の加減でそう見えるようです。
舞台の照明 |
均一な色ではなく、多色使いのできるライティング。
さまざまな演出・舞台芸術に対応可能。
1階から2階席を見上げたところ |
二階にも上がってみましょう。
二階席から舞台を見下ろしたところ。
全体が見通せて、見やすい。
二階席 |
手すりのデザインも優美な曲線、畳敷きに障子窓というのもさりげなく凝っている。
二階の茶室 |
船場の旦那衆の美意識が、いまに受け継がれる空間。
大坂船場を舞台にした谷崎潤一郎の小説が、なんとなく思い浮かびます。
鏡板 |
老松が鏡板を突き抜け、切戸口とその周辺にまで伸びている、豪放闊達にして斬新な構図。
進取の気性に富む大阪人のヴァイタリティが、植物の生命力が横溢する鏡板から伝わってきます。
松の幹の描線にも、一気呵成に描いたような勢いと迫力があります。
伝統の格式を残しつつも、熱気と活気にあふれる能楽堂。
こんな素敵な場所があったんですね。
0 件のコメント:
コメントを投稿