2019年3月7日木曜日

山本能楽堂 ~ 能楽堂建築シリーズ

2019年3月2日 山本能楽堂 谷町四丁目4番出口から徒歩3分
自分の影が映り込まないように撮影したら、列に並ぶ人たちがガラスに映り込んでしまいました。

ひさびさの能楽堂建築シリーズ。
今回はかねてから訪れてみたかった、大阪最古の能楽堂・山本能楽堂です。

古色を帯びた趣きやノスタルジックな雰囲気を残しつつも、最新の設備を取り入れた館内は、機能的で使い勝手が良い。

伝統と革新のバランスが取れていて、能楽堂の改修法として理想的なあり方なのではないでしょうか。





見所前方2列は、昔ながらの桟敷席。
桟敷席が残っているのがうれしい!





中列から後列はベンチ席。
こういうところも機能的。
観客のニーズに合わせてつくられています。





正面から見た舞台。
舞台板が赤っぽく映っているのは、照明の加減でそう見えるようです。





舞台の照明
舞台の照明はこんな感じ。
均一な色ではなく、多色使いのできるライティング。
さまざまな演出・舞台芸術に対応可能。






1階から2階席を見上げたところ
山本能楽堂には二階席もあります。
二階にも上がってみましょう。






二階席から舞台を見下ろしたところ。
全体が見通せて、見やすい。





二階席
二階席はすべて椅子席とベンチ席になっているので、観能中も快適。

手すりのデザインも優美な曲線、畳敷きに障子窓というのもさりげなく凝っている。





二階の茶室
2階には、炉の切ってある本格的な茶室も。

船場の旦那衆の美意識が、いまに受け継がれる空間。
大坂船場を舞台にした谷崎潤一郎の小説が、なんとなく思い浮かびます。





鏡板
鏡板は、月岡耕漁に師事した能絵師・松野奏風の筆。

老松が鏡板を突き抜け、切戸口とその周辺にまで伸びている、豪放闊達にして斬新な構図。

進取の気性に富む大阪人のヴァイタリティが、植物の生命力が横溢する鏡板から伝わってきます。
松の幹の描線にも、一気呵成に描いたような勢いと迫力があります。



伝統の格式を残しつつも、熱気と活気にあふれる能楽堂。
こんな素敵な場所があったんですね。







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