2015年8月16日日曜日

寒川神社の相模薪能

2015815日大東亜戦争終戦70年平和祈念 17時半~20時半 寒川神社

相模國一の宮・寒川神社は遠かった!
                  
神事  修祓、宮司一拝、献饌、祝詞奏上、謡「四海波」中森貫太、
     玉串奉奠(宮司・奉行・能楽師)、撤饌、宮司一拝
火入れ式
 
長唄舞 《島の千歳》 花柳流

半能《金札》 

狂言《簸屑(ひくず)》 

神酒賜わりの義

能 《海士》 


暑いのでいちばん涼しい絞りの浴衣で、寒川神社の薪能へ(ここは完全自由席制)。

萬斎ファンが朝早くから並ぶと聞いていたので、良い席はあきらめてかなり遅めに行ったのだけれど(着いた時点で千人以上の長蛇の列)、開場後に入ってみると、3列目の座席がエアポケットのように空いていてラッキー!
寒川大明神のお導きだろうか。 まことに霊験あらたかである。 


毎年終戦記念日に行われる相模薪能。
とくに今年は戦後70年ということもあり、平和祈願と慰霊の意味を込めて《金札》と《海士》が選曲されたという。

能奉納の前に神事が行われるのだが、これがとてもよかった。

能舞台の四方清祓では、力士が塩を撒くように、一人の神職が紙吹雪のようなものを四柱に撒き、もう一人の神職が幣で祓っていく。
こちらの心も浄化されていくようで清々しい。

その後、祝詞奏上があり、中森貫太師による「四海波」の謡があり、観客はそのたびに起立して一礼。
さらに神職とともに二礼二拍手一礼。
そして戦没者追悼と平和を祈願して全員で黙祷。
70年の節目の日に、こうした形で手を合わせることができたのは有り難かった。

さらに神事の一環として、火入れ式が執り行われた。

2人の巫女がそれぞれ神霊前の灯火を松明に点して橋掛りを渡り、舞台斜め前(目付柱とワキ柱の延長線上)に据えられた薪に点火する。

これによって神霊がかがり火に御遷りになったことを象徴し、かがり火となった神に演能をご覧いただくのだという。
神人合一の場としての薪能。
これが能楽本来の姿かもしれない。

寺社の境内で行われる薪能には独特の厳粛な雰囲気があって、
能楽の原点に立ち還るような気がする。


観能の感想は、相模薪能 《金札》《簸屑》《海士》に続く。


巨大な狛犬。なぜか阿形だけで、対になるはずの吽形がいない。


 

0 件のコメント:

コメントを投稿