2017年10月8日日曜日

第十一回 燦ノ会 ~仕舞《天鼓》《項羽》・狂言《咲嘩》

2017年10月8日(日)14時~16時40分 喜多能楽堂


仕舞《天鼓》 大島輝久
  《項羽》 友枝真也
   佐藤寛泰 金子敬一郎 内田成信 塩津圭介

狂言《咲嘩》 太郎冠者 野村万蔵
   主人 野村万之丞  咲嘩 能村晶人

能《楊貴妃》 楊貴妃ノ霊 佐々木多門
   ワキ方士 宝生欣哉  アイ常世国ノ者 河野佑紀
   槻宅聡 森澤勇司 亀井広忠
   後見 友枝真也 粟谷浩之
   地謡 塩津哲生 大村定 長島茂 狩野了一
      金子敬一郎 友枝雄人 内田成信 大島輝久



九月は忙しかったから、今月は趣味の時間が持てるといいな。
久々の燦ノ会は、唐物尽し。


仕舞《天鼓》
喜多流の《天鼓》といえば、昨夏の袴能をどうしても思い浮かべてしまう。
あの月夜の湖面を飛び跳ねるような清らかな透明感は、生涯忘れられない。
心の奥底にしまっている大切な宝物だ。

喜多流のキリの謡は美しく、とくに「月にうそむき水に戯れ」の箇所が好き。
大島さんの舞はいつもながら技術的に巧い。


仕舞《項羽》
《項羽》は能でも未見だし、仕舞で観るのもはじめて。
友枝真也さんは舞う前から気焔がメラメラとあがり、天下分け目の戦いでの項羽の壮烈な最期を骨太な舞で表現していてよかった。
面白そうな曲なのに、稀曲なのはなぜ?


狂言《咲嘩》
万蔵さんの濃緑地の肩衣に描かれた兎が3羽。
ウサ、ウサ、ウサの、うさ子たちが可愛すぎて、思わずニンマリしてしまう。
(東次郎さんのふくら雀と同じくらいキュートな肩衣だ。)


それにしても、 野村万之丞さん、以前観た時よりもうまくなっていて、さすが。
発声とか、間の取り方とか、自然で親しみやすく面白い怒り方とか、落ち着きのある佇まいとか。
やっぱり襲名は脱皮や羽化のようなもの。その名にふさわしい役者になるべく飛躍する、大きな起爆剤になる。

万蔵さんの太郎冠者が生き生きとしていて、面白かった。
(萬師との共演の時よりも、御子息との共演の時のほうが顔が若返って見える気がする。)


能《楊貴妃》につづく



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