2015年6月17日水曜日

鼓調会

目眩がするほど豪華な社中会。
(以下はメモ)

囃子方社中会の舞囃子は、観能歴の浅い私にとって「動くカタログ」のようなもの。
初めて拝見する方もいらっしゃったので、公演を選ぶ際の参考になる。

舞囃子でとりわけ印象に残ったシテ方さん(敬称略)。

浅見重好
北浪貴裕
中村邦生
長島茂
武田尚浩
武田志房
関根知孝

特に武田志房師の《砧》(後)は、地謡・お囃子ともに素晴らしく、感動で鳥肌が立った。


さて、大注目の能《道成寺》。
大鼓を打たれる社中の方は、たしか去年、元伯さんの矢車会で観世家元を相手に能《巻絹》で太鼓を打たれた方。
その数年前には山本東次郎師を相手に、三番叟の大鼓も打ったというスーパー素人さん。

舞台度胸もあって、そうそうたる顔ぶれの中でも堂々とされていて、
実力・財力・体力の三拍子がこれだけそろった方もそういない。

私のような縁もゆかりもない一般庶民にもお土産(道成寺にちなんで龍村の鱗権太夫文経錦。魔除けになるのだそう)までいただいて忝い。

《道成寺》のお囃子は、神遊の囃子方メンバーを1人入れ替えたような構成。
その中で、社中の方はほんとうに素晴らしい演奏で、通常は掛け声がネックになるのだが、女性でこれだけ気迫のこもった掛け声を出せる人も稀だと思う。
(手も相当痛いと思うし)

他のメンバーも気合が入っていて、
今までノーマークだった新九郎さん、
だてに観世新九郎を名乗っているわけじゃないって実感。

元伯さんはお弟子さんが隣で熱演されているせいか、ほとんど神憑っていて、人間業とは思えないイノリの太鼓。
ビリビリとした強力な呪力を感じさせる表現力。
前日の青翔会で玄人弟子の澤田さんの太鼓を褒めたばかりだけれど、弟子が向上すれば、師匠はさらに高みに昇る。
追う者と追われる者の相乗効果を見た気がした。

シテの岡久広師も、前場の登場から蛇というか、爬虫類を感じさせる不気味なハコビで、この方も良い意味でそれまでの印象を覆してくれた。

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