まずはリンボウ先生のお話。
話の内容は『能を読む④』などの能楽関連書に書かれていたこととほぼ同じで、簡単にまとめると;
能《望月》は、能の曲の中では変わった構成になっているが、これは、越前の飛太夫という役者が「獅子」の能の相伝を観世十郎大夫に願い出たところ、「石橋」の獅子は一子相伝で教えることはできないので、代わりに「望月之謡」に獅子舞を入れることを許したためであること。
つまり、本来の《望月》には獅子舞はなく、現在の《望月》でツレになっている「安田友治の妻」こそが元はシテだったが、あとから獅子舞が加えられたため、格の高い獅子舞を舞う演者(小澤刑部友房)がシテとなり、安田友治の妻がツレに格下げされたらしいとのことだった。
たしかに、シテが直面であることや、シテの前場の装束がアイ狂言っぽいこと、シテがいきなり出てきて名ノリを始めること、ツレが面をかけてシテのように登場すること、単式の現在能であるのに形式的には中入をはさむ複式であることなどが不思議だったけど、獅子舞が追加された結果、シテがツレになったとすれば説明がつく。
このほか、屋島の「大事」という小書による舞囃子は珍しいことや、《望月》の「甲(かぶと)屋の亭主」は正しくは「篭(はたご)屋の亭主」だったのではないかということなどをユーモアたっぷりの語り口で解説してくださった。
舞囃子 高砂 八段之舞
オープニングは、ノリのいい《高砂・八段之舞》。
広忠さんの大鼓に観世元伯さんの太鼓。
地頭は坂口さんのお父様・信男師。
緩急のついた動きの激しい舞とキレのある囃子に、気分は否が応でも盛り上がっていく。
(コンサートだったらオープニングから総立ちになるくらいの熱気!)
話の内容は『能を読む④』などの能楽関連書に書かれていたこととほぼ同じで、簡単にまとめると;
能《望月》は、能の曲の中では変わった構成になっているが、これは、越前の飛太夫という役者が「獅子」の能の相伝を観世十郎大夫に願い出たところ、「石橋」の獅子は一子相伝で教えることはできないので、代わりに「望月之謡」に獅子舞を入れることを許したためであること。
つまり、本来の《望月》には獅子舞はなく、現在の《望月》でツレになっている「安田友治の妻」こそが元はシテだったが、あとから獅子舞が加えられたため、格の高い獅子舞を舞う演者(小澤刑部友房)がシテとなり、安田友治の妻がツレに格下げされたらしいとのことだった。
たしかに、シテが直面であることや、シテの前場の装束がアイ狂言っぽいこと、シテがいきなり出てきて名ノリを始めること、ツレが面をかけてシテのように登場すること、単式の現在能であるのに形式的には中入をはさむ複式であることなどが不思議だったけど、獅子舞が追加された結果、シテがツレになったとすれば説明がつく。
このほか、屋島の「大事」という小書による舞囃子は珍しいことや、《望月》の「甲(かぶと)屋の亭主」は正しくは「篭(はたご)屋の亭主」だったのではないかということなどをユーモアたっぷりの語り口で解説してくださった。
舞囃子 高砂 八段之舞
オープニングは、ノリのいい《高砂・八段之舞》。
広忠さんの大鼓に観世元伯さんの太鼓。
地頭は坂口さんのお父様・信男師。
緩急のついた動きの激しい舞とキレのある囃子に、気分は否が応でも盛り上がっていく。
(コンサートだったらオープニングから総立ちになるくらいの熱気!)
仕舞 前半5番+後半5番
坂口さんの盟友ともいえる林宗一郎さんの仕舞を拝見するのは、去年の父子相舞を見て以来。
そのときは喜右衛門師の品格の高い舞に目を奪われたけれど、こうして同世代の中で拝見すると、宗一郎さんが舞も謡も抜きんでている。
坂口さんの盟友ともいえる林宗一郎さんの仕舞を拝見するのは、去年の父子相舞を見て以来。
そのときは喜右衛門師の品格の高い舞に目を奪われたけれど、こうして同世代の中で拝見すると、宗一郎さんが舞も謡も抜きんでている。
坂口さんの会ではパンフレットとともに「第六~八回・広忠の会」の速報パンフも配布されていて、それによると11月29日に坂口貴信シテ、谷本健吾ツレ、林宗一郎トモ(片山九郎右衛門・地頭)による《朝長》が上演予定とのこと。
観世流若手三名手の共演、 華やかな舞台になりそう。
後半の仕舞では、最年少の関根祥丸さんが光っていた。
休憩を挟んで本日のメインディッシュ(仕舞や舞囃子が盛りだくさんなので、美味しいものが少しずつ出てくる懐石料理を味わっている気分♪)
休憩を挟んで本日のメインディッシュ(仕舞や舞囃子が盛りだくさんなので、美味しいものが少しずつ出てくる懐石料理を味わっている気分♪)
「望月」へとつづく。
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